来年度から、今の大学入試センター試験に代わって、「大学入学共通テスト」が新たに実施されます。この共通テストの中で、英語の民間試験を活用しようということになっていましたが、5年延期することが先日決定しました。それを伝える報道を見ていると延期になってよかったという反応が多いように感じました。本当にこの延期はよいことなのでしょうか。私にとっては、どうしても「自分には関係ないからいい」という、自分のことばかりを考えた意見のような気がしてなりませんでした。
そもそも、何を狙いにして、英語民間試験活用を決めたのでしょうか?その由来を、『大学入学共通テスト実施方針』(文部科学省HP)より引用します。”高等学校学習指導要領における英語教育の抜本改革を踏まえ、大学入学者選抜においても、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を適切に評価するため、共通テストの枠組みにおいて、現に民間事業者等により広く実施され、一定の評価が定着している資格・検定試験を活用する。 ”
つまり、これからの日本を担う子どもたちに、英語4技能は重要です。だから、高校で教えること(指導要領)も、そのように変更しました。今までの聞く・読むだけではなく、書く・話すもしっかりやりましょう。それを測ることは、今までのセンター試験ではできなかったので、新しくした共通テストに加えて、外部資格試験(英検やTOEFLなど)を利用します。ということです。
ちなみに、この方針は、2014年からずっと言われています。この方針も含めて指導要領が変わり、高校だけではなく、中学校・小学校も対応をしてきています。その対応に温度差があったのは事実ですが、ちゃんと考えている現場の先生は具体的な対応をしていました。小学校では2020年から英語教育が導入されますし、東京都では、都立高校の入試において、2021年度からスピーキングテストを実施することを決めています。
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