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20回 答え合わせで成績が分かる

 子どもたちの学習を見るときに大切なことの一つは、自分で解いた問題に対して、自分で丸付けが正確にできるかどうかです。間違った問題を、自分で間違ったと認めることができるかが、勉強ができるようになるための最初のステップだと考えます。


 こんなこと当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、子どもたちが自分でやってきた宿題などを見ていると、意外にできていないことが分かります。昨年度、中学校で私が初めて授業を受け持つ子どもたちに、最初の宿題を課して、その確認をしていた時のことです。クラスで8割以上の子どもたちを再提出にしました。その原因は、間違っているのに正解だと丸付けをしてきたり、間違った問題に対して正答のみを丸写しをしてきたりしたからでした。


 これはクラスという集団に対して出す宿題の限界を感じた瞬間でもありましが、間違えた問題から学ぶことの大切さを生徒たちに伝える挑戦の始まりでした。


 学習することの目的は成長することです。それは、いつも楽をしたい自分との戦いです。本来の学習は、自分自身が少しでも成長しようと思い、楽しみながらやることです。でも、周りに合わせて学び、テストなどで評価されることにより、学習をやらされている状態になり、楽しむことが難しくなってしまいます。


 この楽しくない状態については、早く終わらせてしまいたいという考えが働きます。だから、自分に課された宿題も、ただ早く終わらせてしまいたいだけのものになってしまいます。それにより、間違うとやることが増えるので、丸付けと直しを正確にしなくなってしまうのです。


 しかし、これにより起こることは、時間をかけて、成長に対する意味の少ないことをやるという、非効率な活動です。成長のためには、間違えた問題にきちんと向き合い、それを出来るようにしていくしかありません。塾に通わずに、高校受験乗り越えて、自分の進路を決めていった子どもたちを中学校でも見てきました。彼らに共通していたことは、塾に行く子のように問題量を多くするわけではないけれど、自分の教材で確実に直しをしながら丁寧に進める姿でした。問題を解くことよりも、その後の答え合わせの大切さ。ご家庭でも、考えてみてください。


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