※この記事は2013年の記事を再度掲載しております。
先日、佐藤学さんのお話を聞く機会を頂いた。
佐藤学さんとは、学校改革の視点として「学びの共同体」づくりを
提唱されている学習院大教授です。
毎年100校程度の学校訪問、研究授業への参加をされている先生です。
今まで本で生徒同士が主体的に学び合う授業を研究し、
自分でも実施してきたが、新しく気付かされることばかりだったので、
ここでも共有させていただきます。
●学び合いのポイント
教室において、生徒一人残らず学びを保証する。
生徒同士がつながり、安心して学ぶ関係を作る。
●学び合いは話し合いではない。
グループ内でコミュニケーションがなくてもよい。
学びの基本は独りでするもの。
分からなくなった時に、人に聞ければばよい。
つぶやきを聞いて、他人が学べばよい。
●盛り上がるグループは心配。学び合いが行われない。
話し合いとはすでに分かったことを言い合うこと。
話し合いではなく、聞き合い、つぶやきを自然に聞く関係。
伸びる子は良くきく子。
細やかさや繊細さを育てる必要がある。
授業の中では、どうやったら気付きあえるか、
つぶやきを生むにはどうしたらいいのかを考える。
●テンションが高いと、深い学びまでいかない。先生の声のトーンを落とすこと。
●分からない子とは周りとのつながりを失った子供。
一人のままでは理解できない。まずつながりが必要。
教師がつなぐ必要がある。意図的につなぐ。
一人も一人にしないように。
●自力解決(自分だけで答えを出すこと)にこだわるのは日本、韓国、中国のみ。
先生はなぜ自力解決にこだわるのか?
①自分で考える習慣を付けたい。
→別に、まず写すことから初めても良いのではないか?
②まず自分の考えを持ったほうが話しやすい。
→出来る子はすぐにやってしまい。他の考え方への柔軟性がなくなる。
出来ない子は固まるだけ。
よく考えて分かった子はいないという事実に気づくべき。
この時間がもったいない。ジャンプの課題(発展問題)を
する時間にしたほうがいい。
(出来ない子ほど難しいジャンプの課題が好きで取り組む。)
●授業の最初の10分は黄金の時間。
この時間を自力解決にすると、ここで出来ない生徒は潰れて、
残りの40分何もできない。
グループにしておいて、個人解決をさせて、分からなかったら隣に聞いて良いと
言っておけば、出来ない子が固まらない。
●学び合いだけでは学力は伸びない。
ジャンプの課題。課題を高いレベルに設定する必要がある。
●男女の関わり方。
学び合いでは、同意は同性へ求める、疑問は班全体へ求める。
そのため、男女を交互に席を配置する必要がある。
1年生から男女の関係がしっかりとしていると、学校が安定する。
女子の関係には注意すること。生理的に嫌いという状況を作るとどうしようもない。
●男は分からなくなるとうるさくなる。女は分からなくなると静かになる。
女子を指名した方がいい。女子を表に出していくことで、
女子と男子がうまく関係を築く事ができる。
●まとめて発表するようにすると、まとめる方にばかり意識がいって、
学びが深まらない。
(発表用のボードなどは直前に渡すと良い。)
グループで学びあったということは、その後は誰でも発表出来る状態である。
グループで学びあったあとは、指名して、答えさせる。(他人の意見を言ってもいい)
●学び合いを一斉学習に持ち込むから、時間が足りなくなる。
学び合いを中心にすれば、時間は足りる。
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