48回 共に学び続ける

 この1年間の連載のまとめとなります。この連載を通しては、いつも同じことばかり書かせていただきました。これこそが、自分のお子さんの教育に関わる保護者の方と、共有しておかなければならないことだと思ったからです。


 私が繰り返し書かせていただいた内容は、「自分の人生をワクワクしながら生きていく子どもたちを育てるにはどうすればよいか」ということです。

 これからは、今まで以上に変化が激しい時代になります。この15年間のテクノロジーの発展により、私たちの身の回りにあるものは大きく変わり、生活も変わってきました。これからもこの傾向は変わらないどころか、より変化が加速していくと考えられています。


 そのような時代に大人になっていく子どもたちは、常に変化に適応していく必要があります。適応のために必要なことは、学びです。これからの人生100年時代と言われる長寿の時代に、そのときの社会の変化に対応するために、生涯学び続けていく必要があるわけです。そのためには、人から教えられるのではなく、自分で学ぶ力を養っておく必要があります。

 今の中高生にとって、世の中に学ぶための教材はたくさんあります。学校の授業からだけではなく、自らのペースで学びを進めていくことができるわけです。集団授業で、そのクラスにいる全員が、同じペースで学んでいくことは、とてつもなく困難なことです。そこには、どうしても伸び残しや、伸び悩みがでる子がいてしまいます。自分の得意な教科はドンドンと先に進めばいいし、苦手なものは繰り返し、巻き戻りながら学んでいくしかありません。


 そのためには、オンラインにあるものも含めた教材をどのように使って、自分が知らないことを知っていくか、自分が分からない問題を分かるようにしていくかという主体的に学ぶ姿勢を持つことが大切です。人から教えられるのを待つのではなく、自ら課題を解決できるようになっていくことが、自分で学ぶ力を身につけるということです。そして、これこそが、生涯において必要な力になっていくことだと確信しています。

 そもそも、人は何のために学ぶのでしょうか。私は、「自分の人生を自分で生きていくため」に学ぶのだと子どもたちに伝えています。それは、自分の人生をどのように生きていきたいのかという思いが、そのまま学ぶ意味になるということです。学ぶ意味を自分でもっていることが、学ぶ姿勢をもつことにつながるのです。


 しかし、同じような日常の中で、目の前の勉強だけをやっていても、学ぶ意味は見えてこないものです。多くの子どもたちを見ていると、学ぶ意味を考えず、目の前の勉強に追われている様子がよくあります。

 どのようにすれば、学ぶ意味について考えることができるのでしょうか。一つの例として、私がシンガポールを離れていく中高生たちに贈る言葉を紹介します。「本を読め、人に会え、旅に出よ。」いつもの日常を少し飛び出して、新しい刺激を得て欲しいという思いを込めて伝えています。あえて好きなことに没頭する時間をつくったり、今までやってみたかったことに挑戦してみたり、新しい人との出会い(これは現実でも本や動画でもよいです)に触れてみたり。


 周りの制約を取り払って、少し時間を与えてあげると、どんな子でも「やってみたいこと」や「なりたい姿」などという思いは、出てくるものです。もちろん、正解などなく、その時の納得解なのですが、そうやって自分で決めていくほうが、学びに対する主体性がでてくると考えています。

 繰り返しますが、自分の人生を自分で生きていくことは、常に学び続けることです。そして、常に学び続けている人は、どのような社会になったとしても、自分の人生をワクワクしながら生きていく人であると確信しています。


 そして、子どもたちに学び続けると伝えるからには、大人たちが学び続けていかなければなりません。大人たちが、次の社会をつくる子どもたちに背中で示していかなければならないのです。少しでも多くの人が、子どもたちと共に学び続けてくださることを楽しみにしています。


 これからも、一緒に学び続けましょう。


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