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43回 魚の取り方を教える

魚の取り方を教える  今日は、皆さんが何度も何度もお聞きになったことがあるだろう話をします。なぜなら、最近このことを感じることがすごく多いからです。誰かの支援をするときの例え話です。食料に困っている人を助けるのに、海から魚を取ってきて食べさせてあげるか、魚の釣り方を教えてあげるかのどちらを選ぶかということです。これはよく後者の大切さ、つまり自立することを助ける大切さを語る時に使われます。

 受験も学歴も、長い人生の中で見たら、一つの手段です。それらも魚の取り方の一つにすぎません。結局は、子どもたちが自分の人生においてどうやって、自分で魚をとって生きていくかが大切です。保護者の方は、お子さんがどうすれば自分の力で魚を捕ることができるようになるかを考えて、実際に少しずつさせていくことが必要になります。

 今の私がこの意見を言うのは変かもしれませんが、本来は学習塾などなくてよいはずです。勉強が好きな子は、世の中にたくさんある教材の中から自分で選んで、一人で勉強します。その一方で、一人で勉強しない子は、保護者に塾に通わされて、塾で無理やり勉強させられ、より自分で勉強しないようになってしまいます。そう、与えられた魚を一匹食べ終わったら、次の魚が与えられるのを待つようになってしまいます。

 最初に勉強のペースをつくるための期間では、少し強めの介入をする人が必要になるでしょう。やるべきことを決めて、ちゃんとできているかチェックしてあげる。まずは、毎日勉強する習慣をつけていくことです。その後は、スポーツにおけるコーチのように伴走する人が必要になるでしょう。ビジネスマンでも自分のパフォーマンスを保つために、コーチをつけている人がいます。魚の取り方を教えて、その後はちゃんと続けられているか見守ってあげることが大切です。ただ、行っていれば何とかなるという魔法のような支援はありませんから、きちんと様子を見てあげてください。

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