2025年、今から約5年後に、日本人の半分以上は50歳以上になります。人口予想によると、日本人の年齢の中央値(年齢が高い人から順番に並べていったときに、真ん中にくる人の数値)が、50歳を超えるからです。年齢の中央値について、日本は1990年からずっと世界トップを走っています。そして、2025年に中央値が50歳以上になります。繰り返しますが、日本の人口の半分が50歳以上ということです。
街中を眺めてみると、すれ違う人の半分は50歳以上。個人の人生からしてみたら、50歳になって、やっと世間で真ん中の年齢です。先輩、後輩などといっていたら、世の中まだまだ先輩だらけです。50歳になったら、そろそろ昇進も諦めて、退職に向けた準備を出来たというのは、1990年代のイメージでしょう。
現在、10代の子どもたちが、大人になって働きだす時代は、現在の大人たちが想像もできなかったような社会構造になっています。何となく大学に遊びに行って、みんなが聞いたことのある企業に就職して、その会社で65歳の定年を迎えて、のんびりした老後の生活を送るという時代はとっくに終わっています。大人の過去の常識を子どもたちに押しつけるのは、やめたほうがいいでしょう。日本にいる人たちが違う世代なのだから、今までとは違う社会になっているはずです。
「いい大学に行けば、いい会社に入れるから、目の前の勉強を頑張りなさい。」という、進路指導はもう通用しません。前例がない社会で、自分の人生を、自分で生き続けていく力が求められます。大学は遊ぶために行くところではありません。そこで、何を身につけるかを考えていくところです。子どもに関わる大人は、社会の構造が変化していることを把握して、自分の過去の常識だけで考えることがないようにしたいものです。
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