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12回 日本語補習校での学び

 今回は、シンガポールでの日本語での学習の状況について、日本語補習授業校の本田尚一校長先生にお伺いした内容を共有させていただきます。


環境による日本語の差


 海外で生活する場合は、どうしても日本語の言語環境が限定されてしまいます。日本人学校以外に通っている場合は、学習言語は日本語でなくなります。さらに、日本にいれば生活の中で当たり前のように遭遇する生活言語に触れることができないことの積み重ねにより、「言語についての知識・理解・技能(語彙)」の部分が育ちづらくなります。補習校での様子を見ると、日本の同学年の子どもたちに比べて、この部分が数値として差が出てしまっています。



重要になる保護者の役割


 10歳までに、学習については一つの壁にぶつかる子が多いです。この壁を乗り越えて母国語の基盤をつくることが重要になります。それを乗り越えるためには、保護者が子どもたちの学習環境を整えるというサポートをいかにできるかが大切です。日本語学習について、補習校の1週間で半日のみの授業だけでは、絶対的に必要な学習時間の3分の1以下です。「家庭は第二の教室、保護者は第二の担任」として、学校と連携して子どもたちをサポートしていく必要があります。本を読んだり、宿題の丸付けをしたりなど、保護者の方が一緒に学習をしてあげることが、学習環境を整えることとして求められます。



挑戦する子どもたちを助ける


 日本に帰る予定があり、メインの学校では他の言語で学ぶことに加えて、日本語での学習にも挑戦したいと思うことができる場合は、補習校に通うことをおすすめできます。補習校の目的は「将来、日本に帰国する子どもたちを想定して、同学年相当の国語力を培う」ことです。この目的に沿って、日本語を習得したい子どもたちは誰でも受け入れたいのですが、教員の確保が難しく、教員の数に応じて、子どもたちの受け入れを制限している現状があります。海外にいながら日本語の習得にも挑戦する子どもたちを、保護者の方と一緒に支援してくれる方を対象として、教員免許保持者に限らず、他教育機関での指導経験者の方を対象に教員・ボランティア募集が随時行われています。興味のある方はぜひともHPをご覧ください。



 シンガポール日本語補習授業校

 ・担任、副担任(学級担任候補)、教室ボランティア/図書ボランティア 募集

 ・詳しくは、HPをご覧ください。http://www.jss.edu.sg/


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