今回は、多くの方が悩まれているだろう言語について考えていきましょう。私も専門家ではありませんが、現場で子どもたちを見てきた経験に基づいて話をさせていただきます。
教育での言語とは何か。
学校現場では、生活言語(日常生活で使う言葉)と、学習言語(思考や論理的な分析に用いる言葉)という言い方をします。つまり、ただ日常生活で使う言葉と、自分で深く考え事をするときに使う言葉は違うということです。教育で大切になるのは、深く考えるときに使っている言語である学習言語です。子どもたちを見ても、「この子は英語で考えているな」と感じることがあるのではないでしょうか。
学習言語を確立すること
どの言語であれ、学習の中では、深い思考と、論理的に主張を組み立てていく力が大切です。そのためには、2つの言語を並行するというよりも、1つの言語を学習言語として、確立することが求められます。言語において、聞いたり、読んだりするインプット以上に、話したり、書いたりするアウトプットはできません。お子さんの教育をお考えになるときは、学習言語をどちらにするかをきちんと考えてください。具体的にいうと、「母語の日本語を学習言語として、第2言語として英語を習得すること」と、「学習言語として英語を用いて、母語の日本語は、日常生活のみ使うこと」には大きな違いがあります。
将来を見据えて学習言語を選択する
学校は学習言語を使う場所ですから、将来の進路を見据えて、学習言語を決められるのが大切です。というのも、学習言語を切り替えるのは、個人差がありますが、1年程度はかかると感じています。学習内容がより抽象的になる12歳以降は、学習言語を切り替えていくのはさらに難しくなります。言語を学ぶことは、1つの事柄を複数の側面から捉えるという多面的な思考力や情緒を養うことになります。しかし、言語を学ぶのが負担となり、学習言語として深い思考力や分析力を十分に養うことができなくなることもあるので注意が必要です。本人がやるという意思をもっていることが重要ですので、よくお子さんの様子を見て、本人の意見を尊重しながらサポートをしてあげてください。
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